色彩雑学

色彩雑学|脳が作り出すもう一つの色

色彩雑学|脳が作り出すもう一つの色

【色彩雑学】脳が作り出すもう一つの色

桜の花は何色?
あなたの中にある桜の花の色はどの色に近いですか?

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桜の花と記憶の中の色

今年の春、桜の花を見たとき
小学2年の息子が桜の木を見上げながら
「ここの桜は特別だね。だって、桜の色がピンクじゃなくて白いよ」
そんなふうに言いました。

息子と一緒に見た桜の花は、特別な桜でもなく公園に毎年咲く、ソメイヨシノ。

彼の記憶では桜はピンク色で、実際に見たら白にちかく、他にはない特別な桜だと思ったようです。



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記憶の中の桜色


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実際の色に近い桜色


みなさんもペールトーンのピンクの桜を思い浮かべて、スマホで撮影して
「あれ?桜っぽくない」
と写真フィルターでピンク味を帯びるように加工したことはありませんか?

人の記憶の中の色というのは面白いもので、必ずしも現実の色と一致するわけではありません。




脳で理解する色、脳で記憶する色

私たちは色を見るとき、目から入った光の情報を脳が受け取り、脳が色付けをし、色を認識します。

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色を記憶するのも脳です。

「桜の花はピンク色」
そう息子が記憶していたように、イメージとして脳が記憶している色のことを「記憶色」と言います。

記憶色は、桜の花だけではなく空の青や夕日のオレンジ、バナナの黄色、いちごの赤というように私たちが特定の名前を聞いてすぐに思い出すことのできる色の記憶です。




脳が作り出すもう一つの色、記憶色

脳が色を記憶する際に、ある程度「平均化」したり「強調」したりして色を記憶するため、記憶色は実物の色とは一致しないことが多いのが特徴。
一般的には実際の色よりも高彩度に色を記憶する傾向にあるようです。

桜の花もそうですが、夕日や空の青さも、なんか色が浅いなぁ。
そう感じて写真にレタッチをかけてしまうのも記憶色が関係しているから。

記憶色に近づけないと、「らしくない」と思ってしまうんですよね。

記憶色について研究していたドイツの心理学者、バートルソンは色票から色を選択させ、選択された色と実際の色を比較した実験で、肌色を除いて、記憶された色は、実際の色より彩度が上がると報告しています。

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実際の色と記憶色とのずれ(実験例) / A・F・T 色彩検定 公式テキスト1級編

一般的には、高彩度に記憶するのに肌の色だけは、記憶色の方が彩度が弱く記憶しているという結果が出たのです。

なぜだと思いますか?

脳が色を記憶する際、「平均化」したり、「強調」したりして記憶に残していくのですが、もう一つ「好ましい」と思う方にも変化して色を記憶するのです。

私たちは女性の肌の色は彩度が低い色(=肌の色が明るい)の方が好ましいそんなふうに思っているから実際の肌の色より肌の色味がない(=薄い色)を記憶しているのです。




日本の色白文化


色が白いは七難隠す
肌の色が白ければ、少しくらいの欠点は隠れて、美しく見える。


そんなことわざが日本にあるほど、日本では昔から「色白」に憧れを持ってきました。

  • 平安時代には、農作業や大工など屋外で仕事をすることが多く、日焼けしていない肌は身分が高い証であり、白い肌は美しさの象徴。

セレブの象徴として小麦肌が流行ったり、ガングロメイクがギャルの間で人気になった時代もありますが、現在では紫外線が肌にもたらす悪影響からも日本人女性の美白意識は高く、色白肌は女性の憧れです。

2018年にポーラ文化研究所が行ったインターネット調査でも15~74歳女性の7割が美白ケアを行っているという結果に。

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あなたの目指す「美白肌」は? / ポーラ文化研究所 スクリーンショットより
https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/culture/survey/004.html

どの年代も憧れるのは透明感のある肌。


"透明感のある肌=肌の色が明るい"


そう捉えてしまいがちですが
日本化粧品工業連合会では、肌透明感のことを「皮膚がくもりなく透き通ったように見える状態」と定義しているそうです。

肌の色がただ「明るい」からだけでは、皮膚に曇りがなく、透き通ったように美しくは見えません。
ただ肌の色の明るさを求めても自分らしくなければ魅力も半減してしまします。




似合う色は七難隠す

最近ではアプリで写真をかんたんに加工できてしまうことから、肌色の記憶色がさらに明るくなっているとも言われています。
美肌アプリみたいに瞬間補正!そんなキャッチコピーの化粧品が出るほど憧れる肌をかんたんに画像の中で作れてしまう。

デジカメやスマホ、ビデオカメラにも「記憶色」に近づくように色が補正される機能がついていて、広告写真やテレビでは実際の色を忠実に再現するよりもより「記憶色」に近づけて再現します。

そんな「理想の肌」を常日頃見ている私たちの記憶色もどんどん「明るい肌」に上書きされてしまいます。
実際の肌と記憶色の肌色とのギャップに自己肯定感が下がってしまうこともあるようです。

前回の色彩コラム、魅力を引き出す"似合う色"をどう活かす?の中でもパーソナルカラーは私たち日本人に「自分だけの個性を出すこと」の大切さを教えてくれたと書いているように、私たちには「自分にしかない個性」があります。

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パーソナルカラー、スプリングタイプの人の似合う色の効果


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パーソナルカラー、オータムタイプの人の似合う色の効果


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パーソナルカラー、ウインタータイプの人の似合う色の効果


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パーソナルカラー、サマータイプの人の似合う色の効果

外見の色と同様に、私たち心にも似合う色があります。

自分の心と持って生まれた外面の色。
その二つが合わさった時、本来持っている自分らしく輝く肌艶が現れるのだと思います。

自分の肌の個性を知って、本来の自分を受け入れ、自分の肌を輝かせる色を知ることでさらに美しさに磨きがかかります。

記憶の中のベストな肌の明るさを求めるのではなく、パーソナルカラーを知って、自分に似合う色で自分の肌を輝かせませんか?

パーソナルカラーは、似合う色を纏うことが目的ではありません。

「自分にしかない個性」で自分の内面と外面を整え、自分らしく輝くことです。

似合う色は七難隠す。

パーソナルカラーを知って、ぜひ、七難隠す色を見つけてくださいね。

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心に関わるパーソナルカラーの執筆はCLE協会へ

色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。

1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして

CLE協会は【外見の似合う色と性格傾向の特性】に関するパーソナルカラーを提唱しております。

  • 同質性と異質性の違いによる心理的な色の選び方
  • パーソナルカラーを自己受容へ活用
  • 4つの個性がチームを動かす、パーソナルカラー×チームビルディングについて
  • 自己を見つめる時間、リフレクションとパーソナルカラーの可能性

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