色彩雑学
色彩雑学|カラー診断は闇深い?!似合う色と好きな色が違う。
パーソナルカラー診断を受けて、
「似合うシーズン」を提案いただいて
「で!? 好きじゃないけどどうしたら?」
そんな経験をされた方はいらっしゃいませんか?
それぞれのシーズンを表すカラーパレット。
自分に似合う色が必ずしも自分の好きな色とは限りません。
でも、もしかしたらそれは記憶色が関係しているかも。
パーソナルカラーの歴史は
1928年アメリカのデザイナーであるロバート・ドアが色彩調和論を発表。
これは自然界の色は「イエローベース」の色と「ブルーベース」の色に分けられ、同じグループの色同士は調和するというもの。
その後、スイスの美術教育者であるヨハネス・イッテンは
”その人が好む配色や色彩は、
外見的特徴に一致する”
この考えと色彩理論をもとに色の特徴をみんながイメージしやすい四季の4つに分類しました。
ロバート・ドアの色彩調和法とヨハネス・イッテンの分類法が基となり、アメリカで体系化されパーソナルカラーの基礎が出来上がりました。
*アメリカと日本のパーソナルカラーの違いについてはこちら
ヨハネス・イッテンの四季絵を見て
あれ、私が想像する季節の色とちょっと違うと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私がイメージした春夏秋冬のイメージ
これには記憶色が関係しています。
記憶色とは空の青や夕日のオレンジ、バナナの黄色、イチゴの赤のように私たちが名前を聞いてパッと思い出せる色の記憶のこと。
*記憶色について知りたい方はこちらもご覧ください。
四季に対する色のイメージと記憶色は育ってきた環境に左右されます。
私は、夏といえば青空と海!
真夏の真っ青な青と炭酸のシュワシュワ感をイメージしたのでイッテンで描いている緑の多い夏の色のイメージはあまりピンときませんでした。
パーソナルカラーの4分類法も元々はスイスの風景や季節ごとの色彩からインスピレーションを受けています。
それをもとに4つのカラーパレットが分けられているので私たちが思い描く日本の四季の色とは異なっているのです。
先日、10歳の女の子にパーソナルカラー診断をしたときも似合う色がAutumnのグループと伝えると
「えー、残念。可愛い色がないグループ」
そんな風に言われてしまいました。
こどもでさえもシーズンを聞いてイメージを広げるのだから大人はもっと言葉から固定概念や先入観を持っているかもしれません。
記憶色によって作られたシーズンイメージと自分が求めるものが合わないと感じると似合う色でも受け入れにくいと思うのは当然ですよね。
でも各シーズンの中にも暖かさや冷たさ、明暗、彩度といった色の3属性がちゃんと存在します。
春の3属性別配色コーデ
秋の3属性別配色コーデ
夏の3属性別配色コーデ
冬の3属性別配色コーデ
三属性を意識して組み合わせることで、自分の好みの配色を見つけることができるのです。
例えば、
春のパレットの中でも、
鮮やかなブルーカラーを合わせてクールに。
秋のパレットの中でも、
ソフトな色と白を組み合わせてフェミニンに。
夏のパレットの中でも、
色味のはっきりとした色を合わせてモードに。
冬のパレットの中でも、
深みのある色合いを組み合わせてシックに。
好きな雰囲気と似合うシーズンが違う、そう感じた時は固定観念を外して似合う色を取り入れてみてください。
私たちは自分の顔や肌の色にも、記憶色を持っているので着慣れない色は初めは違和感や抵抗感を感じるかもしれません。
似合う色はただ「似合う」ではありません。
似合う色はあなたの肌に反応を起こす色。
からだの中にある60兆個の細胞を動かす色。
新しい色に挑戦することで、細胞が動き自分自身の新たな魅力を発見できるはずです。
記憶色やシーズンのイメージにとらわれず、あなたの細胞を動かす色であなたらしいスタイルを楽しんでみてくださいね。
色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。
1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして
CLE協会は【外見の似合う色と性格傾向の特性】に関するパーソナルカラーを提唱しております。
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