色彩雑学
色彩雑学|垢抜けカラーは定番色から 髪色編
まだ暑さが残るけれど日に日に感じる秋の気配。
葉の色が変化しはじめて、他の季節に比べて風景が劇的に変化するように感じる秋は心まで秋色に彩られる気がしてファッションもメイクも、髪色も秋カラーにシフトしたくなりませんか?
特に髪色は、印象を大きく左右する大切な要素。
髪色から変えたいと思う人も多いはず。
今回は、" すてき " を作る自分らしい髪色選びの秘訣をシェアしたいと思います。
私はここ数年、なりたい髪色をうまく伝えられず、染め上がった髪色を見てはテンションが下がっていました。
というのも、私、色素が薄くて髪も染めなくてもアッシュ系の赤るい茶色。
それこそ学生時代は髪色証明を出さないといけないほど茶色くて、艶やかな黒髪に憧れたりしましたが、染めても自分にしっくりこなくてここ10年ほどカラーリングをしていなかったんです。
上の図、どちらの肌色の方が明るく見えますか?
実は、肌の色はAとB、どちらも同じ色。
だけど、AとBを比べるとBの方が肌の色が明るく感じます。
髪色って、実はこんなにも肌の色を左右するんです。
これは明度対比という心理現象の一つ。
明度対比は周りにある色の明度によって同じ色が違って見える対比現象。
髪色一つでこんなにも肌の色に変化が起こるのだから、髪の色を自分に似合う理想の色にするってすごく大事ですよね。
私は髪の白さが目立つようになってから、また染め始めたのですがどうも上手く染まらない。
染めてもすぐに色が落ちて明るい黄色になってしまう。
黄色くなると髪の毛だけ浮いている気がしてなんか嫌。
「黄色を落として、髪色を落ち着かせたい」
美容師さんにそうオーダーすると毎回、想像以上に暗くなる。
まぁ、すぐ色が落ちるからいいか
そう妥協していたんですがある時
「髪色が黄ばむのも嫌。
でも暗くなるのも嫌。
明るいまま黄色を無くしたい」
そう相談してみたんです。
そうしたら、思っていた以上に透明感のあるアッシュ系になってびっくり。
光に透ける髪が薄っすら緑になって、
「求めてたのこの色!」
とすっごく嬉しくなったんです。
美容師さんに今までと何が違ったのかを聞いたら実は、今まで黄ばみが嫌だと聞いていたから紫色で染めていたけれど、今回明るさはキープしたいと言われたから青で染めたと言われたのです。
肌の色もそうですが、色をカバーしたい時、補色を使うと色を抑えてくれる効果があります。
絵の具の混色を思い出してもらうと、色相環の反対にある色同士を混ぜるとグレー〜茶色になりますよね。
色相環上で正反対の位置にある2つの色、物理補色は理論上は混色すると無彩色の黒になります。
ただ、実際は真っ黒になることはないので茶色やグレーのような明度の低い色になります。
私が黄色が気になると言い続けていたので、担当の美容師さんは黄色を消そうと紫を入れて染めていたそう。
この補色効果、確かに色を消してくれる効果があるんですが、グレーを髪色にのせているので髪色は当然、暗くなるんです。
今回、美容師さんが入れてくれた青は、黄色と混色すると緑に。
緑色は明度も中間で、グレーよりも明るい色になるので黄みを抑えたいい感じのアッシュグリーンになったんです。
色彩理論は、面白いほど日常に転がっていて、色々な場面で使われています。
色を知っている。
色を伝えられる。
それができるのは洋服選びに限らず、自分自身のポテンシャルを上げてくれる、改めてそう感じた今回の出来事。
理想の髪色を伝えるのは難しい。
そんな時は、パーソナルカラーを知ってまずは自分の肌の色に似合う色を探してみましょう。
パーソナルカラー別似合う髪色
Springさんは「黄み有り・明るさ」
明るさと透明感を出すことがおすすめ。
Autumnさんは「黄み有り・深み」
こっくりと深みのある色がおすすめ。
Summerさんは「黄み無し・柔らかさ」
黄みの出にくい柔らかい色がおすすめ。
Winterさんは「黒髪・ハイトーン」
メリハリをつけてすっきりさせるのがおすすめ。
あまりピンとこないという方は、CLE協会認定診断士のカラー診断をおすすめします。
診断後、美容師さんと共有できるヘアカラー一覧で希望の髪色をぐんっと相談しやすくなります。
CLE協会が同時開発した色彩人類学診断ツール
肌の色もそうですが、髪色を決めるのもメラニン色素。
メラニンは紫外線から肌を守るために作られています。
国によって肌の色、髪の色が違うのは日照時間や紫外線量が違い、メラニンの必要量が変わるから。
今の私が持っている色素は、生きるために必要なものを遺伝子が残したからなんです。
だからこそ、自分の知って、似合う色を知るとからだの中にある60兆個の細胞が動き出す。
大谷翔平選手が言った言葉。
「憧れるのはやめましょう」
憧れを持った時点で、その人以上を越えられなくなってしまう。
ないものを求めても上手くはいかない。
誰かになろうと憧れても、その人を越えられない。
私が持っている色で私を越えていく。
色を知って、去年の自分を超える " すてきな私 " を作っていきましょう。
色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。
1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして
CLE協会は【外見の似合う色と性格傾向の特性】に関するパーソナルカラーを提唱しております。
原稿執筆に関する依頼相談は当協会へお問合せください。色彩学に強い色彩ライターへお任せください。