色彩雑学

色彩雑学|【2025年トレンドカラー】PANTONE社が選ぶ流行色はモカムース

色彩雑学|【2025年トレンドカラー】PANTONE社が選ぶ流行色はモカムース

前回の色彩雑学でご紹介したJAFCAのメッセージカラー、「ホライゾングリーン」。
未来への希望や広い視野で物事を見ること、そして自然との調和を感じさせる深みのあるグリーン。

2025年のトレンドカラーとして注目されるのは、「ホライゾングリーン」だけではありません。

今回は、もうひとつのトレンドカラー、PANTONE®から発表された「モカムース(Mocha Mousse)

モカムースは、落ち着いたブラウン系のニュアンスを持ちながら、ほんのりとしたミルキーな温かみを感じさせる柔らかな色合い。
モカムースの魅力と共にトレンドカラーを取り入れるコツをご紹介します。




【content】
1. Pantone color of the yearとは?
2. Mocha mousse
3.日々の中にある小さな幸せに贅沢を感じるカラー
4.モカムースの配色例




Pantone color of the yearとは?

PANTONE®社はアメリカ・ニュージャージー州に本社がある色見本を開発した企業。

インテリア、ファッション、グラフィックデザイナーなど、社会的、文化的、経済的な要因をデータ収集、分析した上で、その年のテーマを象徴する流行色をカラー・オブ・ザ・イヤーと予想し発表。

世界的に最も権威のある情報源としてパントンが発表するトレンドカラーは、各国のデザイン業界やブランドが取り入れ、グローバルな影響を与えます。

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引用 PANTONE® より引用




Mocha Mousse

2025年の色としてPantone社が選んだのは
「モカムース」

感覚に訴え、癒しをもたらす温かみに満ちたメロウなブラウン。
上品で柔らかなモカムースは洗練さと繊細さ、極上の贅沢と優雅な雰囲気を生み出すカラーです。

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For Pantone Color of the Year 2025, we look to a mellow brown hue whose inherent richness and sensorial and comforting warmth extends further into our desire for comfort, and the indulgence of simple pleasures that we can gift and share with others./ Laurie Pressman_Vice President of the Pantone Color Institute

この色は、人生の中で経験するさまざまなことを別の視点から見つめ、そしてとらえ直し、小さな幸せの大切さを理解し、今を生きることを意味する。/ ローリー・プレスマン PANTONE®︎HP引用

Underpinned by our desire for every day pleasures, PANTONE 17-1230 Mocha Mousse expresses a level of thoughtful indulgence. Sophisticated and lush, yet at the same time an unpretentious classic, PANTONE 17-1230 Mocha Mousse extends our perceptions of the browns from being humble and grounded to embrace aspirational and luxe./ Leatrice Eiseman_Executive Director Pantone Color Institute

五感で温もりを感じられる“感覚的な温かさ”のある色。モカ・ムースを目にすると、チョコレートのような匂いを感じ、ほろ苦く甘い味も広がる。モカムースを見ているとこの色が本来持っている温もりを、視覚情報から感覚的に感じ取ることができるのです。/レアトリス・アイズマン PANTONE®︎HP引用

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日々の中にある小さな幸せに
贅沢を感じるカラー

モカムースが2025年の色として剪定された理由として、「調和」を求める今の時代の流れから。

世界的な経済の不安定さや気候変動、テクノロジーの急速な進化により、私たちが今求めているのは「心の安定」。
モカムースの穏やかで柔らかなブラウンは、大地や自然を連想させ、心理的に安心感や温もりを与える効果があります。

日々の小さな幸せの中にこそ、贅沢がある。
そんな日常の中にある小さな幸せを感じさせるカラー。

2025年は今までのニュートラルカラーのトレンドに「温かみ」をプラスした色が人気に。
モカムースは、クールすぎず、地味すぎず、洗練された印象を保ちながらも、親しみやすさを持つ絶妙なバランスのカラーです。





モカムースの配色例

色は、2色以上組み合わせて配色するほうがよりイメージが広がり楽しくなります。
モカムースも組み合わせ次第で印象が大きく変わります。
PANTONE®が紹介している配色を参考に柔らかく洗練された贅沢な配色例をご紹介。



ふんわりと柔らかく、温かみのある「モカムース」は、上品で洗練さを気取らないクラシックなカラー。
温かみのある心地よいトーンは、思慮深い家庭的な贅沢と繊細で優雅な雰囲気を作り出します。

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引用 PANTONE® より引用

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同じ色相(ブラウン系)で明度や彩度差をつけた色を組み合わせる トーン・オン・トーン配色で統一感のある落ち着いた配色。
ウォームピンクやウォームグレージュを加えると優しく温かみのある印象に。
一見地味になりがちなブラウンの配色も自然なグラデーションを作ることで、奥行きのある表現が可能になります。



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引用 PANTONE® より引用

全体的にペールトーンやくすみカラーで統一したトーン・イン・トーン配色で上品で洗練された雰囲気に。

ナチュラルなブラウンもピンクやラベンダーのくすみカラーが入ることで、柔らかさが加わりフェミニンな印象。
また、くすみブルーをプラスすることで透明感や知性を感じさせてくれます。





世界的に最も権威のある情報源としてPANTONE®︎が発表するトレンドカラー。
各国のデザイン業界やブランドが取り入れ、ファッショントレンドとしても「エルメス」や「グッチ」など多くの春夏コレクションの中で“モカ・ムース”色が出てきています。

モカムース、この名前の通り、ムースを思わせる柔らかくフェミニンで洗練されたブラウン。

この春は、ぜひ、モカムースに注目して日常の贅沢に浸ってみてくださいね。

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心に関わるパーソナルカラーの執筆はCLE協会へ

色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。

1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして

CLE協会は【外見の似合う色と性格傾向の特性】に関するパーソナルカラーを提唱しております。

  • 同質性と異質性の違いによる心理的な色の選び方
  • パーソナルカラーを自己受容へ活用
  • 4つの個性がチームを動かす、パーソナルカラー×チームビルディングについて
  • 自己を見つめる時間、リフレクションとパーソナルカラーの可能性

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